膝は体重が掛かりやすく負担が蓄積されやすい箇所です。
骨盤の歪み、猫背、O脚、老化、冷え、肥満など原因は様々で、
特に膝関節の変形により膝の軟骨が削れたり、骨棘ができたり、
関節に関節液が溜まる場合もあります。
症状の進行によって、膝周囲の靭帯が癒着し、筋肉が硬化したりすると、
思うように膝を伸ばせなくなります。
他にもスポーツや交通事故、遺伝の影響がでることも。
・80代 男性/主訴 膝痛
【現病歴】
数年前から左膝内側に症状があり、特に立ち上がり時や、就寝時に痛み。
歩行時、足を一歩前に出すことが困難。
病院での診断は「変形性膝関節症」で、
手術が必要と診断されたが、高齢の為手術はしないことに。
【施術】
膝の周辺だけでなく、足首周辺の浮腫みや腰部のこわ張りがあり、
膝周辺のツボで膝痛、浮腫み等に関連する
「曲泉(きょくせん)」
「陰陵泉(いんりょうせん)」
「血海(けっかい)」
「陰谷(いんこく)」
「陽陵泉(ようりょうせん)」
足首周辺の
「水泉(すいせん)」
腰部の
「胃兪(いゆ)」
「腎兪(じんゆ)」
を主に週一ペース、鍼灸中心での施術。
浮腫みは軽減し立ち上がり時の痛みも軽減、
歩行時の、出だしの一歩目や歩く速さが以前よりスムーズになりました。
【考察】
膝の負担をへらすには
膝周辺の刺鍼によって血流を促し、痛みの物質を流すことも大切ですし、
硬化している筋肉、靭帯、軟部組織を修復することも大切。
鍼は痛みを脳に伝える前段階で、
痛みの抑制をかけることで、痛みを和らげる作用もあります。
高齢であることもあり、定期的な施術を受けられることに。
・50代 女性 職種・運送業/主訴 膝痛
【現病歴】
20代に交通事故で右足大腿骨の粉砕骨折。
その後、膝痛、腰痛などに長年悩まされる。
特に階段を降りる際は手すりや壁で膝に負担がかからない様にゆっくり行う。
今までリハビリで多数の治療を受けたがあまり状態は変わらない。
【施術】
膝裏周辺の大腿二頭筋の硬結が強く、
力を抜いても筋繊維が伸びてない状態。
膝から下(下腿部)前脛骨筋、長趾伸筋、腓骨筋、下腿三頭筋の硬結も強い。
又、交通事故の後遺症だけでなく、
職業上長時間の運転で臀部など
骨盤周辺の筋硬結や股関節の運動制限があり
膝の負担にも影響が考えられる。
①
背骨(頚椎、胸椎、腰椎)から骨盤周辺、
下肢の血行促進や歪みを整える目的で整体・指圧を行う。
②
腰部~下肢の膀胱経、胆経の経穴に鍼
「三焦兪(さんしょうゆ)、腎兪(じんゆ)、志室(ししつ)、大腸兪(だいちょうゆ)、関元兪(かんげんゆ)、浮郄(ふげき)、合陽(ごうよう)、飛陽(ひよう)、跗陽(ふよう)」
特に筋硬結が強い
大腿二頭筋周辺の「浮郄(ふげき)」
外側広筋周辺の「梁丘(りょうきゅう)」
に置き針の皮内鍼。
始めは週二ペースの施術で
ひと月目位から腰の負担が和らいでくる。
ひと月目半ば位から徐々に膝の動きがよくなり、
階段も手すりや壁を使わずに降りれるように。
【考察】
膝周辺の筋肉の硬結や腱の走行異常、癒着などを考慮しながら施術を行う。
特に粉砕骨折の影響で筋肉の硬結が強く、膝関節の運動制限がある。
重心バランスが不安定な面を考慮し、アライメントを整える必要がある。
長時間の運転時の姿勢もアドバイスし意識してもらう。