厚生労働省は2040年に65歳を迎える人のうち、女性の2割が100歳まで生きるという推計を発表しました。
人生100年時代に突入。
「自分の体は自分で治す。」をテーマに
『漢方薬店の管理責任者歴』もある『現役鍼灸師』が、実経験や知識を基に「健康コンシェルジュ」となり【自分で治すツボや漢方薬、セルフケア】等をご紹介します。
便秘はお腹の張りや不快感だけでなく、腸内環境の乱れによる肌荒れやむくみ等も伴いストレスも溜まりやすくなります。
便秘薬に頼りすぎると、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が少なくなる事もあり、自分自身で排便する働きが弱くなってしまいます。
①生活の中でおススメ習慣
目覚めの一杯:起床時には冷たいジュースや水ではなく、白湯で温めて腸の働きを促しましょう。
朝トイレで腸トレ!:朝、忙しく時間がないからとトイレで焦れば焦るほど緊張し、腸を動かす副交感神経の働きが落ちてしまいます。朝決まった時間にトイレに座り、おへそまわりを時計回り、「の」の字に指先を立てて押さえながらマッサージを行いましょう。
朝食は必ず何か食べる:朝食をきちんと摂るのが一番ですが、味噌汁やパンだけでも何か胃に入れる事が大切です。
胃に食べ物を入れると大腸の蠕動運動を促し、便意がもようされやすくなります。
油不足の食事に注意:肥満や生活習慣病が問題視されるあまり、油分の多い食事が敬遠される傾向にありますが、油分の不足は便秘だけでなく骨粗しょう症の原因にもなります。魚料理、オリーブオイルや米油、アマニ油などを積極的に摂るなどの他に、漢方医学ではスプーン一杯程度のごま油や大豆油など飲むなどもおススメです。
自然に排便を促すマグネシウムを多く含む食べ物:マグネシウムには水分を吸収する働きがあり便を柔らかくし、腸が優しく刺激され蠕動運動を活性化させて便秘を解消する働きがあります。
ひじき(干)620mg
焼きのり300mg
きな粉(全粉大豆)240mg
昆布(塩昆布)190mg
わかめ(生)110mg
玄米110mg
落花生100mg
あさり(生)100mg
納豆100mg
カキ(貝類)74mg
カツオ(春獲り生)42mg
ほうれん草(ゆで)40mg
干し柿26mg
さつまいも25mg
バナナ32mg
※食品100g当たりの含有量。「日本食品標準成分表2010」より
②腸の働きを良くするツボ
神門(しんもん)
温《お灸もおススメ!!》
手のひら側で手首のシワ、小指側の端の骨の外側のくぼみ。
くぼみを反対側の親指で押して痛い場合に、ジワーっと強めに10秒5セット行いましょう。
合谷(ごうこく)
温《お灸もおススメ!!》
手の甲を上にして、親指と人差し指の骨が交差した部分から人差し指側に刺押して行き刺激が強い箇所。強めに10秒5セット行いましょう。
大腸兪(だいちょうゆ)
温《お灸もおススメ!!》
腰、ベルトを締めるライン上、骨盤の一番高い所で背骨から左右それぞれ指2本分外側。
腰骨に両手をあて親指で押して刺激がある箇所を押す。
10秒5セット行いましょう。
府舎(ふしゃ):
おへその左右3.5寸の所から真下に下がってぶつかった骨盤の上縁の所。
左側の府舎を人差し指、中指、薬指の3本で押したまま円を描くように押す。
30秒~60秒行いましょう。
便秘の随伴症状として気を付けたいのが【腰痛】です。
↓参照にされてください。
③ツボ押し後、老廃物を排泄する事が大切です。
足裏の腎臓、輸尿管、膀胱などの反射区をツボ押しし、最後に常温の水やお白湯をコップ一杯飲みましょう。
④薬局で取り扱いのある(一般用医薬品)便秘におススメの漢方薬。
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう):便秘の基本処方です。大黄は便を下す作用があるのですが、作用が強く腹痛を伴う下痢が生じる事もあるので、甘草を加える事で大黄の作用を緩和します。体力がない人は大黄の作用が強くでる可能性があるので使用を控えたほうがいいでしょう。
調胃蒸気湯(ちょういじょうきとう):大黄甘草湯よりも激しい便秘に使用します。大黄甘草湯に加え、腹部にこもった熱を取りながら腸と便に潤いを与える芒硝(ぼうしょう)を加えた処方です。大黄甘草湯では対処できない激しい便秘に使用します。
大建中湯(だいけんちゅうとう):冷えによる腹痛や便秘に使用します。身体を温める生薬から構成されています。腹部に強い冷えがあり血流が滞り元気がなくなっている状態に対し、温める事で血流を回復させながら、身体を元気します。
麻子仁丸(ましにんがん):体内に熱がこもり、腸が乾燥気味で便が出にくかったり、小さくコロコロしたものになる場合に使用します。比較的体力のない人の処方で特に高齢者の便秘などに使用されます。
※第2類医薬品はご購入の際、薬剤師、登録販売者にご相談やアドバイスを受けることをおススメします。